TherapiAI、デジタルツインAIプラットフォームを発表 — CDMOの試行錯誤を削減し、成功率の向上に貢献

Google、日本カイラルとフォーラムに登壇 — バイオ創薬の次の10年を共に描く

バイオAIスタートアップのTherapiAI(セラピアイ)は本日7日、台北バイオイノベーションパークにて「AI駆動型バイオ医薬品の未来:研究開発の革新からデジタルツインまで」と題したセミナーを開催しました。同イベントにおいて、「デジタルツイン(Digital Twin)」および「バイオ医薬品AIエージェント(Biologics AI Agent)」の2つの主要技術プラットフォームを正式に発表。CDMO(医薬品受託開発製造)における試行錯誤のコスト削減と、研究開発の成功率向上を強力に支援してまいります。

本フォーラムでは、GoogleのYu-Chang Chang博士、日本のAI科学計算スタートアップ「Chiral(カイラル)」のCOO(最高執行責任者)である梅田浩二(Koji Umeda)氏、そしてTherapiAIの経営陣が次々と登壇。バイオ医薬品分野におけるAIの最新トレンドや、具体的な実務応用について知見を共有しました。また、今回の登壇は、TherapiAIとChiralが今年4月にアジア太平洋地域における戦略的提携を締結して以来、台湾で両社が初めて公の場に揃って登場する貴重な機会となりました。

Google 張裕昌博士 / 提供:TherapiAI

国内外の専門家が一堂に会し、研究開発から社会実装までのロードマップを提示

セミナーは、TherapiAIの最高経営責任者(CEO)である韓駿逸(Michael Han)による開会の挨拶で幕を開けました。続く最初の基調講演では、Googleの張裕昌博士が登壇し、GoogleのAIモデルをバイオ製薬業界のスケールアップされた応用シーンへどのように展開するかについて知見を共有しました。張博士は、AIが単なる「検索技術」の枠を超え、バイオファーマ(BioPharma)のワークフローに真に組み込まれる実用的なプロセスへと進化する道筋を解説。それがいかに企業の研究開発(R&D)効率を高め、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるかについて詳述しました。

日本のバイオ分子設計スタートアップ「Chiral(カイラル)」のCOOである梅田浩二(Koji Umeda)氏は、ノーコード(プログラミング不要)の科学計算プラットフォームが、いかにして創薬探索を加速させるかについて紹介しました。
続いて、TherapiAIのCTOであるAlicia Li氏と陳晙榤(Chen Chun-Chieh)博士が登壇し、TherapiAIが新たにリリースした「デジタルツイン・プラットフォーム」を披露しました。同プラットフォームが実現する「記述的AI(Descriptive AI)」から「全自動AI(Fully Automated AI)」への進化、および次世代タンパク質製剤のプロセス設計における最新の進展を公開。タンパク質の研究開発から製造、そして社会実装(実用化)に至るまで、AIがどのように全工程を支援し、成功率を高めるかという全容を詳細に解説しました。

TherapiAI CTO アリシア・リー(Alicia Li)氏 / 提供:TherapiAI

TherapiAIが「4つの主要予測エンジン」をリリース — 60~80%に及ぶ高い失敗率の克服へ

タンパク質製剤の従来の研究開発プロセスにおいて、その失敗率は長年にわたり60%から80%という高い水準で推移(高止まり)しています。臨床試験(治験)後期におけるわずか一度の挫敗は、2,000万ドルに及ぶ埋没費用(サンクコスト)と、18ヶ月ものスケジュール遅延を意味します。市場参入の機会(市場ウィンドウ)と特許期間が共に短縮の一途を辿る中、CDMOにおける「まずは試作してみる」という従来型の手法は、今や最もコストのかかる開発ロジックとなっているのです。

TherapiAIのデジタルツイン・プラットフォームは、正にこの課題を解決するために開発されました。最新のプラットフォームは、仮想環境においてタンパク質医薬品の生理学的特性を完全にシミュレートすることが可能です。
その核となるのは以下の4つの予測エンジンです。タンパク質の折り畳みや翻訳後修飾を解析する「3D構造・PTM解析」、拒絶反応のリスクを事前に排除する「免疫原性スクリーニング」、生産量を最大化する「コドン最適化」、そして熱安定性や溶解度をシミュレートし、スケールアップ時の課題を早期に顕在化させる「製造可能性(マニュファクタビリティ)予測」です。
これら4つのエンジンを統合した「イン・シリコ(in silico)シミュレーション・ファネル」により、CDMOは実験を開始する前の「Day 0(第零日)」の段階で、失敗を招く要因を特定し排除できるようになります。これにより、1プロジェクトあたり500万ドルから2,000万ドルの研究開発コストを削減し、年単位を要していた実験サイクルを月単位へと劇的に短縮します。

TherapiAI 陳晙榤(Chen Chun-Chieh)博士 / 提供:TherapiAI

CDMOでの実績を実証!細胞画像解析の精度90%達成と運用コスト20%削減を実現

さらに、TherapiAIの「AIエージェント・マトリックス(AI Agent Matrix)」は、すでに実際の導入事例において多大なインパクトを与えています。
例えば、台湾のあるCDMO企業が当社のAI細胞画像解析を導入した事例では、細胞成長の予測精度が90%に達し、これに伴い材料の廃棄を84%削減することに成功しました。また、別の細胞・遺伝子治療(CGT)パートナー企業では、AIによるプロセス最適化の支援を受け、運営コストを20%削減しました。
これらの実績は、デジタルツインが単なる研究開発段階の「仮想ラボ」にとどまらず、CDMOやCGTメーカーにとって、歩留まり(イールド)の向上やコスト管理を実現するための「運営インフラ」であることを証明しています。

TherapiAI 創業者 兼 CEO 韓駿逸:「CDMOは『Day 0』で正しい判断を下すべきである」

TherapiAIの創業者兼CEOである韓駿逸(Michael Han)は、次のように述べています。
「バイオ医薬品の次の10年は、継続的な学習と最適化を繰り返す『デジタルツイン・エコシステム』によって牽引され、そこではAIが極めて重要な役割を果たすことになるでしょう。Googleによる基盤モデルの革新、Chiralが計算科学分野で培ってきた深い知見、そしてTherapiAIがそれらの能力をCDMOの実際の製造・開発工程に統合する力。私たちはこれらを結集することで、CDMOが『Day 0』の段階で的確な判断を下し、コストの最適化と成功率の向上を実現できるよう支援してまいります」

セミナー会場では、TherapiAIのデジタルツイン技術がバイオファーマ(BioPharma)分野でどのように活用されているか、実際のユースケースを展示いたしました。あわせて、参加企業の皆様にはプラットフォームの無料トライアルを提供。AIがいかにして意思決定を迅速化し、業務プロセスを最適化するかを直接ご体験いただきました。

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